dreamland.05


「……ふぅ」

蒼は並んでいるアクセサリーを整えていた手を休めて腰を伸ばした。

平日の開店したばかりの店にはさすがに客もあまり来ないので、今は一人で店番をしている。

人の声がしない店内は、音楽が掛かっていても静かに感じる。

不意にその静けさに理由の分からない不安を掻き立てられて、蒼は自分でも驚いた。

どうしたというのだろう。

店の中はいつもと何も変わりは無いのに。

その時、店のドアが開く気配がした。

「いらっしゃいま……」

ドアの方へ顔を向けて言い掛けたまま、蒼は動けなくなった。

先程感じた不安の正体が、今はっきりと形を取るのが分かった。

静けさは夢と同じだった。

あの夢の中には、音は無かった。

そして蒼の目の前に、夢の続きのように突然現れた。

白い肌と、長い漆黒の髪を持つ少女が。

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