fictionstory.26
「本部にいれば、あんたは安心だろう。わざわざあんたが危険を犯す必要は無い。女の子は怖い顔より笑顔が似合うもんだぜ。華憐も、もう少し経って色気が出れば美人で通用するだろうし」
「私は貴方の思うような女の子じゃないよ。生まれ持った力は私の意志に関係無く私を王女にしてしまうの。そして王女であるからには、王女として生きた時間があるからには私には責任がある」
華憐は足を止め、蒼を見詰め返して続けた。
「だから戦いにだって出るよ。それが国の為ならば、この身と引き換えにしても。この国を取り戻す事は、私にとっては全てなの。国を正しい統治に戻すまで、私は自分を捨てるんだよ」
「何でそれにこだわるんだ。忘れて生きる事は出来ないのか」
「そんな事……私には出来ない。私が私の役目から目を逸らして否定したら」
華憐が視線を遠くに向けて呟くように言う。
「今まで王家の為に犠牲になった人達に、何て謝ればいいの」
その視線を追うと、離れた場所にそびえ立つ城が霞んで見えた。
彼女と初めて出会った城。
何度も夢で見た、御伽噺の中にでも出て来るような城。
まだ醒めない夢から、君を光へ導きたくて。
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Reservoir Amulet