nostalgiamind.03
蒼は華憐を中へ導きながら教えた。
「じゃあ行くぞ。俺の家は本部の一番奥にある」
歩き出した二人の後に、見張りをしていた若者も興味深そうな顔で付いて来た。
いい退屈凌ぎが見付かったと考えているのは明らかだった。
華憐も足を動かしながら、初めて入った本部の中を興味深く眺めた。
騎士団本部といっても、ほとんど普通の街と変わらない。
通りを歩いていると子供が遊んでいるし、買い物をする女性の姿もある。
ただ一つ違うのは、此処に住む男性が全員王家に忠誠を誓った騎士であるという事だ。
王家が事実上滅んだ今、彼等はどんな思いでいるのだろう。
華憐は歩きながら、そっと目を伏せた。
彼等が今も変わらない生活をしているのは、信じてくれているからだ。
汚名を着せられた王家の人間を、忠誠を尽くすべき存在を。
この人々の為にも、自分に出来る全てをしなくては。
今はまだ何も出来ずにいるけれど、こんなに無力だけれど。
目を背ける訳にはいかない。
この先へ、未来へ進む為に。
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Reservoir Amulet