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城の奥へ奥へと足を進め、最上階にある塔へと行き着く。

部屋の中に足を踏み入れて、思わず息を飲む。

本当に、いた。

薔薇で彩られた寝台の上、静かに目を閉じる一人の姫。

波打つ金の髪は豊かに流れ、肌は抜けるように白い。

一瞬絵画を眺めているような錯覚に陥ってその場に立ち尽くしたライオスは、ゆっくりと歩み寄った。

近くで見ると、まるで人形のようだ。

見とれる程に美しくても、まるで生気は感じられない。

「確か、口付けをするんでしたか」

それ位で目覚めさせられるものだろうか。

それに初対面の乙女の、しかも眠っているところに口付けをするなんて礼儀に反している気がする。

しばらくの間葛藤した後、ライオスは寝台の傍らに膝をついた。

世界の為だ。

無礼などと言ってはいられない。

此処まで来て試さずに帰っては、きっと自分は後悔する。

覚悟を決め、目を閉じて顔を近付ける。

躊躇いが無いと言えば嘘になる。

今のこの世界に目覚める事は、この乙女にとって幸せだろうか。

冷たい唇と一瞬触れ合った瞬間、眠る姫の呼吸を感じた。

ライオスが見る中で、人形のようだった乙女に生気が戻って来る。

陶器のような肌に、微かな赤味が差す。

薄く色付いた唇から洩れる吐息が、顔に掛かっている髪を揺らす。

固く閉ざされていた瞼が、僅かに動く。

止まっていた彼女の時が、再び廻り出す。

百年の眠りから目覚める。





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Reservoir Amulet2