12
夕闇が落ちる頃、城の庭へと帰る。
こんな時間だし、彼女はもう部屋に戻っているかもしれないが。
集まっていた子供達は皆家へ帰ったらしく、朝とは違い静けさが満ちている。
いつも彼女が座っている辺りまで来て、思わず足を止める。
次第に深まって行く薄紫の光の中、花に抱かれて眠る姫。
絵画のような光景を目にした瞬間、鮮明に記憶が蘇った。
数年前の、あの日。
静寂だけの薄暗い城の中。
豊かに流れる金の髪、抜けるように白い肌。
まるで人形のような、整った寝顔。
百年の時を止めた乙女の実在を知り、感じたのは歓びと。
起こす事への躊躇い。
湧き上がる様々な感情を抱きながら、歩み寄って膝をついた。
あれが、始まりだった。
あの時と同じように側へ行き、苦笑する。
「全く、無防備ですね」
一体どうして、こんな所ですやすやと寝息をたてているのだろう。
誰かを待ちくたびれて眠ってしまった、そう考えるのは自惚れだろうか。
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Reservoir Amulet2