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歌い継ぐ旋律のように、語り継ぐ御伽噺のように。

いつか遠い未来に、見た事も無い空の下で。

蒔き続けた種が芽吹くかもしれない。

美しく花開くかもしれない。

そのしなやかな強さこそ、人が秘める力なのだ。

襲い掛かる残酷な現実に、自分が無力だと責める必要は無い。

何も出来ない情けないと嘆く必要など無い。

人はただ、毎日を懸命に生きて行くだけで良い。

大きな特別な力なんて無くて良い。

生きている、そこにいてくれる。

ただ、それだけで。

その尊い生そのものが、心に満ちる想いが。

誰かの、世界の力になって行くのだから。

「私達はいつまでも夢を見て、語り続けましょう。美しい世界の御伽噺を」

アウローラの浮かべた微笑みは、最初に会った頃のぎこちないものとは違った。

心から嬉しそうな、幸せそうな表情。

頷いたアウローラを抱き締めながら、ライオスは空を見上げた。

濃紺から夜の闇色へと変わり行く空には、星一つ。

人に比べたら遥かに長く瞬くあの星が、いつか平和な世界の上に輝く日は来るだろうか。

それはまだ、分からない。

長きに渡り戦い続けた世界は未だ、平和へは遠い。

しかし、諦める理由など無い。

理想を掲げ、意志を貫く。

何度絶望しようとも、夢を語り続ける。

美しい世界を、一人でも多くの人が信じてくれたなら。

その想いは、築かれるささやかで確かな礎となる。

続いて行く世界の物語に、いつか必ず平和は記されるだろう。





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