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言葉は無くても、触れるだけで。

眼差しを交わすだけで、伝わるものもある。

そう教えてくれたのは、アウローラだ。

唇が離れてゆっくりと開いた瞳が、真っ直ぐにライオスを映す。

蒼玉のような煌めきは、純真さそのものだった。

その無垢な輝きで胸に浮かぶのは、今度は後悔ではなく。

数え切れない感謝と、出会えた歓び。

微睡みの日々を振り切って理想を高らかに叫ぶ時が、まさか自分に来るなんて。

愚かしい程に燃え上がる情熱に身を任せるのも悪くはないと。

思わせてくれる彼女はまさに、夢見る力の体現者だ。

だから、いつも誓いたい。

此処から、口付けと共に。

「ローラ。深い幻想を宝石にしましょう。貴女が夢で見ていた幻想を、私に教えて下さい」

きっと息を飲む位に美しい世界を。

「幻想を、一つ一つ咲かせて行きましょう。例え全てを現実にする事は叶わないとしても、その種だけでも蒔いて行きましょう。後々まで残り、いつか芽吹くように」

全てを生きている内に実現させる事は難しいかもしれない。

平和への道程さえ、まだ不確かで不安定なのだから。

しかし悲観する事はない。

人の優しさや愛が消え失せない限り、世界には美しきものが溢れている。

だから強く抱き続ける願いや想いも、ずっと残って行く。

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