05


もう一度、此処から生きてみろと。

人知れず抱いていた夢を、認めてくれているのだろうか。

届かず消えて行った言葉は。

言えないままになった想いは。

奇跡さえも起こす強さを、与えてくれるのか。

朱き涙を流しながら尚、捨てられない儚い夢。

暗く寒い夜に一筋の光を投げる月になりたい。

朱い月は君の愛した氷の光を求め、夢を見る。

いつか君に届くように。

燃え上がるのが、どうか激しく優しい願いであるように。

待ち受けるのが、どうか静かな安らぎの日々であるように。

再び始まる。

苦しみと、歓びの生が。

その旅路を君と行きたい。

朱い月は君が呼んだ氷を名乗り、生まれ変わる。

遠い冬の空の下で。

神無月の光の中で。





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