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帰ったらすぐに連絡を取らなければと思っていたが、その手間は省けた。

天照神社の巫女、天承翼は既に研究施設を訪れて二人の帰りを待っていた。

「お帰りなさい」

そう言って浮かべた微笑は、何処か寂しげだった。

皆は氷月の部屋に集まり、話をする事になった。

「あんたなら、全部分かってると思うけど」

挑むように切り出すと、翼は今日は下ろしている髪を揺らして窓の外へと目を向けた。

普段は千早と袴を纏っているこの巫女も、出掛ける時は洋服を着るらしい。

ジャケットにワンピースという格好をしているが、それでも雰囲気は変わらない。

まるで全てを見透かすような瞳は、一体何を映しているのか。

「先程、影に宿っていた思念が糸が切れた為に還りました。その時に、一筋開いた道があります。それを辿り、全ての元凶である者の居場所が判明しました」

視線を正面の氷月に戻し、巫女はいきなり本題に入った。

静かな口調はいつかこの日が来ると、ずっと前から知っていたようでもあった。

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