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息を飲んだ鏑を余所に、氷月は口元を歪めて尋ねる。

「僕達の使う武器に祈祷してたのはあんただったよね。さっきの戦いの時、あんたの力を感じた。あの糸を切らせるのが目的だったわけ?」

「……おい、糸って何だ?」

訝しげに口を開いた鏑に、翼が応じた。

「呪いの糸です。人の心に巣食い、害を成すものです。影魂に宿る思念と繋がり力を与えていたのは、その糸でした。私も見付け次第対処するようにはしていましたが、あの者の居場所を掴むにはそれ自身の影を消し去らねばならなかったので……」

「因縁がある僕なら、出て来るかもしれないと思った訳か」

氷月は机を挟んで目の前に座る巫女を、改めて見詰める。

「あんた、何者?一体、何を企んでるんだよ」

「企むなんて、とんでもない。私は、ただ」

そこで言葉を途切れさせた翼の顔が、不意に悲しそうに歪んだ。

いつも穏やかで感情を読ませない巫女の、隠している心が顔を出したようだった。

「ただ、贖いの為に動いているだけです」

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