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施設内が、一気に慌ただしくなった。

真剣な表情をした研究員達が廊下を走り回る。

その中には勇とひかりの姿もあった。

「いよいよだな」

「そうだね」

短く言葉を交わし、研究施設の最深部の扉の前に立つ。

カードキーで解錠する間さえ惜しむように、開いた扉の中へ飛び込む。

そこには既に研究員へ指示を出す鏑の姿があった。

二人は軽く頭を下げ、足早に部屋の奥へと進む。

分厚いガラスの向こうには、大きな装置が見えている。

これから、あれで時を繋ぐ。

準備時間は限られている。

整備を急がなくては。





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Reservoir Amulet2