03


いつもと変わらない様子で歩いて行く後ろ姿を見掛けて呼び止める。

「天承さん」

「あ、氷月さん。どうされました?」

振り向いた翼は穏やかに尋ねて来た。

この巫女は、いつも静かだ。

きっとこうして、今まで長い時を過ごして来たのだろう。

人々の、世界の営みを感じ見詰めながら。

「あんた、大丈夫なのか?」

「大丈夫とは?」

氷月の質問に、翼は流れる黒髪を払いながら問い返す。

「さっき聞いた話だと、あんたに掛かる負担は相当なものだろ。神無だって鏑だって、心配してたじゃないか」

これからの作戦で、自分の役目はサポートだと翼は語った。

しかし、どう考えても彼女に掛かる負担は大きい。

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