02


見上げる高い建物に、道を走り去る乗り物。

慌ただしく歩く人の群れと、色とりどりの衣。

此処にある全ては、見慣れないものばかりだ。

感じる驚きや戸惑いに、少しずつ慣れて来てはいるけれど。

それでもこの世界で、自分が異端なのは変わらないだろう。

冬の白い日射しを浴びながら立っていると、誰かが近付いて来る気配がした。

振り向いて見る中で、一人の娘が歩いて来る。

「こちらにいらしたんですね。氷月さん」

すぐ側で立ち止まった神無は、いつも着ている白の羽織を脱いでいた。

代わりに黒の暖かそうな上着を着込み、黒髪を下ろしている。

彼女がこういう格好をするのは出掛ける時だと、氷月は知っていた。

「何か、此処に御用だったんですか?」

「……別に。何もする事無いし」

素っ気無く答えても、神無は気を悪くした様子を見せない。

それどころか、微笑んで告げて来る。

「私、これから買い物に行くんです。良かったらご一緒しませんか?」

やる事が無くて外でぼんやりしていたのだから、断る理由も見付からない。

氷月は神無と並んで歩き出しながら、ちらりと隣を見た。

- 20 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2