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固く手を握り合う二人を、朱い夕焼けが包み込む。

朱く朱く染め上げて、澄み渡り。

いつか、焦がれた銀の光になれるだろうか。

「悲劇を、そのまま悲劇の結末で終わらせたりはしない」

「塗り替えてみせる。私達の想いで」

どんな哀しみも、意味のあるものへ。
 
淀み固まる思念を、想いで塗り替える。

神などいないと泣き叫んだ冬の空を。

無情で惨状だらけのこの世界を。

そのままで終わらせたくはない。

泣き叫ぶ生だからこそ、いつか幸あれと。

足掻き続ける道程に、優しい月があるように。

これまで辿って来た全てを、自身の内に昇華して。

黒く淀む思念ではなく、白く美しい想いを。

この世界はまだ滅ぶべきではないと思うから。

息衝く無数の想いを信じ、清める。

時を越えて残って行く想いを、力にする。





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