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言葉にならない叫びが溢れた。

動かない体をかき抱いて、彼女の血を浴びて。

神などいない。

この世の何処にもいない。

もしいるのなら、何故こんな事を許す。

こんなに綺麗な魂の神無が、何故死ななければならない。

死すべき者は、此処にいるじゃないか。

何故自分がいない時に盗賊が来る事を許した。

自分が出掛けた、数日の間に来る事を許した。

自分が此処にいれば、出掛けたりしなければ神無も皆も死ななかったかもしれない。

自分さえ死ねば、それで済んだのに。

覚えている限り初めて流した涙は止まらない。

迫って来る炎の熱さなど、どうでも良い。

どうしようも無い怒りが哀しみが後悔が、狂おしく燃え上がる。

身を切り裂かれるような痛みが、魂の奥底を揺さぶる。

神などいない。

この残酷で無情な世界には。

全て悪いのは自分で。

全ての始まりは自分に帰って来るけれど。

だからこそ、理不尽な世界が残酷に思える。

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