23
言葉にならない叫びが溢れた。
動かない体をかき抱いて、彼女の血を浴びて。
神などいない。
この世の何処にもいない。
もしいるのなら、何故こんな事を許す。
こんなに綺麗な魂の神無が、何故死ななければならない。
死すべき者は、此処にいるじゃないか。
何故自分がいない時に盗賊が来る事を許した。
自分が出掛けた、数日の間に来る事を許した。
自分が此処にいれば、出掛けたりしなければ神無も皆も死ななかったかもしれない。
自分さえ死ねば、それで済んだのに。
覚えている限り初めて流した涙は止まらない。
迫って来る炎の熱さなど、どうでも良い。
どうしようも無い怒りが哀しみが後悔が、狂おしく燃え上がる。
身を切り裂かれるような痛みが、魂の奥底を揺さぶる。
神などいない。
この残酷で無情な世界には。
全て悪いのは自分で。
全ての始まりは自分に帰って来るけれど。
だからこそ、理不尽な世界が残酷に思える。
- 226 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet2