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炎が消えた小さな村、冷たい冬の大地に倒れる男。
「……終わったか」
よく響いた声も、今は弱々しい。
「頭領」
傍らに膝をついた氷月をちらりと見る瞳からも、光は薄れて行く。
「あの時、気紛れで拾った子供が我を倒す事になるとはな……。まあ、これも全ての事には意味があるという証明か。あの女が、口癖のように言っていた……」
あの女というのは天承翼だろうと想像出来た。
そしてその言葉を口にする彼の表情が、いつに無く穏やかで安らいでいるようで。
今まさに完全に倒れて、存在自体消え行こうとしているのに。
どうしてか、嬉しそうに見えて。
「あの時は一人だったあの女が……今では他の誰かに頼る事を覚えたか。これが、証明か……」
何処か満足そうで。
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Reservoir Amulet2