02


見上げる建物に、道を走り去る乗り物。

慌ただしく歩く人の群れと、色とりどりの衣。

変わらない日々の営みを繰り返しながら、今日も世界は廻っている。

それでもこの世界で、自分が異端なのは変わらないだろう。

春の日射しを浴びながら立っていると、後ろに人の気配がした。

振り向いた視線の先には一人の娘が立っていて、目が合うと残念そうに肩をすくめる。

「また気付かれちゃった。驚かそうと思ったのに」

「だから、何回やっても無駄だって。すぐに分かるよ、神無なら」

淡い色の服の上に白衣を羽織っている神無は、不満そうな顔で隣に立った。

「でも、隙を突いたら或いはって思うんだけどな。1回位、氷月を驚かしてみたいのに」

「多分、一生無理。さっさと諦めなよ」

「もう、生意気なんだから」

軽く頭をはたかれる。

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