14
美しい想いが、溢れ出す。
神がもし、いるのなら。
今もこの世界を見守っているのなら。
証明して行きたい。
人が抱くのは、綺麗な感情ばかりではない。
この瞬間にも、きっと黒い思念は生まれている。
けれど、それを上回る強さで。
愛し慈しむ想いを抱けると、やっと分かったから。
こんな自分でも、分かる事が出来たから。
散々間違えて、転がり落ちながらも見付けた光。
それは誰かに与えられるものではなく。
何度も何度も、血と泥にまみれながらも手を伸ばして。
ようやく見出したからこそ、尊い。
誰かを愛し慈しむ歓びを知ったから、この先にはきっと。
きっと、他の誰かに手を差し伸べながら生きて行ける。
人は変われる。
何度だって、何処までだって。
愛して行ける。
優しくなれる。
「そろそろ戻ろうか」
「ええ。お父さんも神崎さん達も、きっと待ってる」
手を繋いで歩きながら、瞳を交わして語り合う。
「今度、大地さんと翼さんにも会いに行きたいね」
「ああ、そうだね。あの二人もきっと、この先も一緒にいるんだろうし」
自分達のように。
屋上から屋内へと入る前で立ち止まり、空を見上げる。
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Reservoir Amulet2