02


実体の無い相手を斬るのは、最初は慣れなかった。

しかし、すぐに体が対応した。

やはり戦いは、この身に染み付いて取れない。

携帯電話を開いて鎮静を告げると、武器が転送されて手元から消える。

「……終わりましたね」

先程まで剣を取って共に戦っていた神無が、仕事の時に見せる厳しい表情で口を開いた。

「こんなにも影魂が存在しているなんて、このままではいずれ対応が難しくなりますね」

「そうだね」

人に取り憑かれる前に鎮静するのが最善だが、予想外と言える程に影魂は多く現れる。

「それに最近、強くなったような気がします。より人の思念が感じられるようになったというか」

神無は目を伏せて、小さく息をついた。

「残りたいんですね。まだ、この世に」

「……あんた、優し過ぎだよ。戦う相手の事まで考えてたら、あんたの方が保たないよ」

素っ気無く氷月が言うと、予想に反して微笑が返って来た。

「私より、氷月さんの方が優しいですよ」

「は?」

思いがけない言葉に目を見張ると、神無は笑顔のままで続ける。

「優しくない振りが、随分上手みたいですけど」

「別に、そんなんじゃない」

- 64 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2