03
そんな風に言われると、何だか調子が狂う。
余計に素っ気無くなった氷月に、神無は更に笑った。
「分かりました。そういう事にしておきます」
この微笑みに勝てる時は、きっと来ないだろう。
一人楽しそうな様子を見ながら、氷月はぼんやりと思った。
どんなに剣を振るおうと、力でねじ伏せようと。
本当に強いのは、きっとそんなものではない。
その事を、教えてくれたのは。
「氷月さん、本当に良いんですか?」
気付くと、神無が気遣うような瞳を向けていた。
「影魂は、昔の時代を生きた人達の思念です。戦うという事は、いつか貴方のお知り合いと戦う時が来るかも……」
「そんな事を気にしなくたって良いよ。僕の知り合いなんて……ほとんどいないし」
氷月は言葉を切り、息を吐いて更に続ける。
「それに前にも言った通り、此処は今を生きる人達の世界だ。どうあっても失われるべきじゃないだろ。……まあ、此処にいる僕が言うのも何か変かもしれないけど」
「いいえ。そんな事は無いと思います」
緩く首を振った神無が、揺らがない表情で言った。
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Reservoir Amulet2