02
今日は大晦日、一年が終わる日だ。
協力して何とか鏑の部屋の大掃除まで終わらせた氷月と神無は、見回りを兼ねて買い物に出掛けた。
いつも行くスーパーには、今日も大勢の客が来ている。
「……何だか、皆同じような物を買ってるみたいだね」
「え?ええ、そうかもしれませんね。お蕎麦とか、お餅とか……。私達も忘れずに買って行きましょう」
「色んな風習があるんだね」
神無は、隣でカゴを持つ氷月を見上げて尋ねた。
「氷月さんが以前いた所では無かったんですか?」
「どうかな。あったのかもしれないけど、分からない。ずっと、それどころじゃない生活だったし」
何気無く告げられた言葉を聞いて、神無は一瞬だけ動きを止める。
それから、微笑んで明るく言う。
「これから一緒に、色々な行事を楽しみましょうね。こちらには楽しい事が、まだまだ沢山あるんですよ」
「……そうだね」
今も尚、逃れられない朱い記憶は胸を締め付けるから。
穏やかな笑顔を向けられる度、泣きそうになる。
こんな日常を送る事が、自分にはあとどの位許されているのだろう。
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Reservoir Amulet2