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「さすが、火影さんですね。そこまで掴むなんて凄いです」

「そんなっ、勿体無いお言葉です!」

二人の会話を聞いていた守が、大地にこっそり尋ねる。

「……姐さんって、天承さんの事ですよね?」

「そうらしいな」

「何で姐さんなんですか?」

「手合わせして、勝ったらしい」

淡々と応じると、守は絶句して衝撃を受けたように翼に視線を注いだ。

「繁森さん?どうかしましたか」

「い、いいえっ!何でもないです」

守が慌てて首を左右に振ると、翼は不思議そうな顔をした。

「何だか今日は珍獣でも見るような目を向けられるような気がするのですが。どうしてでしょう」

「さあな」

「な、何ですか、大地さん!その意味有りげな笑みは!」

「気にするな」

翼の追求をかわして、素早く話題を変える。

「行方不明になって、しばらくして戻って来るという事は神隠しか何かか?」

「……ええ、そんなところですね。最近になって急に頻繁になったから問題になったのでしょう」

「うーん、神隠しとなると僕達警察ではどうしようもありませんね」

考え込みながら守が呟き、火影は巫女の方を見た。

「姐さんでも解決は難しいですか?」

「そうですね。今は」

そう答えた翼の瞳に一瞬暗い光が宿ったのを、大地は見逃さなかった。





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