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やがて巫女は顔を上げ、守と火影の方を向いた。
「繁森さん、火影さん。これまでに一度行方不明になったけれど少しして発見された、というような事があったか調べてみて頂けますか」
「はっ、はい。分かりました!」
「了解っす、姐さん!」
元気な返事を残して二人が立ち去るのを見送ってから、大地は翼の方を見た。
「何か気付いたのか?」
「ええ。恐らくは、あの呪いと関係があるかと。この場には呪いの名残がありますから」
「そうか……」
「でも、心配しなくても行方不明になっていた方達は近い内に帰って来ると思いますよ。お二人が調べて下さる情報を見れば分かる筈です」
確信の込められた巫女の言葉通り、しばらくして戻った二人が調べて来た内容はその事を示していた。
同様の事例は、数年前からあったのだ。
突然姿を消した行方不明者が、数日経つとひょっこりと戻って来る。
いなくなった間の記憶は、全て無くして。
大地は守が持って来た警察の資料から、火影が持って来たファイルへと目を移した。
それにはいなくなった人物の名前、年齢、経歴、住所。
更には姿を消した場所や時刻、帰って来た時の様子まで事細かに書かれていた。
この短時間に此処まで調べ上げるとは、警察以上かもしれない。
火影の大番長のネットワークは侮れない。
そう思いながら火影の方を見ると、彼は翼に向かって話していた。
「姐さん。直接会った訳では無いので分かりませんが、姿を消して帰って来た人は以前と比べて静かで無気力になったというような情報もありました」
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