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定めは個人の意志など飲み込んで流れて行く。

彼女が例えどう抗っても、その重い役目からは逃れられないという事なのか。

「それに、知ってしまったからには何かしないといられませんし」

大地の思考を読んだように、翼はそう付け足して笑った。

心配させないように気遣っているのが分かる。

だから大地は息をつき、通り掛かった店員に追加の注文をした。

あまり経たない内に、皿に盛られた煎餅が運ばれて来る。

この店には何故か、メニューに手作り煎餅というのがあるのだ。

「わあ、いいんですか。大地さん」

歓喜に輝いた翼に向かって、頷いて答える。

「好きなだけ召し上がってくれ」

「はい、有り難うございます」

元気を出してもらいたくて食べ物に頼るのは自分でもどうかと思ったが、翼の様子を見る限りでは一番効果がありそうだ。

ぱりぱりと煎餅を食べる音を聞きながらコップの水を飲み干した大地は、ふと思った。

彼女にもしも抗えない役目があるのなら、自分はどうなのだろう。

出会って、側にいる自分には。

以前どうしても翼の行動を放っておけなかったように、嫌でも関わるよう事が動くなら。

何かやるべき事が、出来る事があるのだろうか。

今はまだ、それが何なのかは想像も出来ないけれど。





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