15


「捜す」

考える間も無く即答した大地に、翼は目を瞬いた。

そんな彼女に言い聞かせるように繰り返す。

「捜すに決まっている。俺だけじゃない。姉貴も繁森も警部も永倉さんも、皆そう言うさ。大切な人がいなくなったら心配するのは当然だろう」

「そう……ですね」

まだ驚いた様子で聞いていた翼は、やがてふっと微笑んだ。

それがあまりに儚く悲しげで。

そして、見とれる程に綺麗で息を飲む。

「本当に私はこれまで……。何を知った気でいたのでしょうね。こんな暖かなものを知らず、想いを語っていたなんて」

聞き返せば良いのに。

不安が募るなら、心配になるなら問い返せば良いのに。

どうしてか、それが出来ない。

- 163 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2