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「捜す」
考える間も無く即答した大地に、翼は目を瞬いた。
そんな彼女に言い聞かせるように繰り返す。
「捜すに決まっている。俺だけじゃない。姉貴も繁森も警部も永倉さんも、皆そう言うさ。大切な人がいなくなったら心配するのは当然だろう」
「そう……ですね」
まだ驚いた様子で聞いていた翼は、やがてふっと微笑んだ。
それがあまりに儚く悲しげで。
そして、見とれる程に綺麗で息を飲む。
「本当に私はこれまで……。何を知った気でいたのでしょうね。こんな暖かなものを知らず、想いを語っていたなんて」
聞き返せば良いのに。
不安が募るなら、心配になるなら問い返せば良いのに。
どうしてか、それが出来ない。
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Reservoir Amulet2