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胸が熱くなる。
翼が、そこまで信頼してくれていたなんて。
大切と、思ってくれていたなんて。
「側にいてやってくれ」
「はい」
迷わずに答えると、鏑は一つ頷いてその場を立ち去った。
足音が聞こえなくなってから、翼の座る椅子の傍らに膝をつく。
自分に何が出来るかなんて分からない。
それでも、全てに意味があるなら。
此処へ来る事を、翼が望んでくれていたのなら。
こうして側にいるだけでも、何かが変わる筈だ。
固定されている彼女の腕へ目を向ける。
そして、白い手にそっと自分の手を重ねた。
その途端、自分を取り巻く世界が変わったように思えた。
急速に流れ込んで来る。
これは、翼の記憶か。
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Reservoir Amulet2