14


胸が熱くなる。

翼が、そこまで信頼してくれていたなんて。

大切と、思ってくれていたなんて。

「側にいてやってくれ」

「はい」

迷わずに答えると、鏑は一つ頷いてその場を立ち去った。

足音が聞こえなくなってから、翼の座る椅子の傍らに膝をつく。

自分に何が出来るかなんて分からない。

それでも、全てに意味があるなら。

此処へ来る事を、翼が望んでくれていたのなら。

こうして側にいるだけでも、何かが変わる筈だ。

固定されている彼女の腕へ目を向ける。

そして、白い手にそっと自分の手を重ねた。

その途端、自分を取り巻く世界が変わったように思えた。

急速に流れ込んで来る。

これは、翼の記憶か。





- 178 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2