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一生を通じて、残したいと思うから。
後の世にまで残るような、世界に息衝く価値ある想いを。
「……氷月。お前、随分大人になったな」
大地は手を伸ばし、氷月の頭を軽く叩いた。
この数年で氷月の背はぐっと高くなり、顔つきからも幼さが消えた。
「有り難うございます」
兄弟のような二人の様子を見守りながら、翼が神無に言う。
「私達が例え神であっても、この世界から悲劇を無くす事は出来ません。此処は、人の住む世界だからです。私達に出来るのは、ただ見守る事だけ。だからこそ」
「はい。微かでも、私達は想いを紡ぎ続けます」
翼の言葉を継いで力強く頷いた神無も、出会ったばかりの頃より更に落ち着いて大人っぽくなった。
きっと良い母親になれると確信出来る。
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Reservoir Amulet2