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時の流れにも消えない程に。

「此処は良い世界です。本当に」

哀しみや苦しみが消え失せる事は無くとも。

生きている限り、幾つもの涙を流しても。

時に心を痛めつける悲劇を見ても。

それでも、それでも。

ほんの僅かでもいい。

暖かな光に出会えたなら、それだけで。

それだけで、世界は優しくなって行くから。

「……なら、いいんだ。あんた達が、そう思ってくれてるなら」

氷月が嬉しそうに言った隣で、神無も微笑む。

「ずっと見守って下さっている大地さんと翼さんが信じてくれているなら、私達も頑張れます」

「永遠の時と比べたら、僕達の一生なんて刹那かもしれないけど。だけどその刹那で、ちゃんと残すから。世界は美しいって信じたくなるような、そんな想いを」

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