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「そんな硬い事言うなよ。このままじゃ新しい被害者が出かねん。こういう訳の分からん複雑怪奇な事件は、彼女に頼った方が確実だろう」

「……警部。面倒事を人に押し付けようとしていませんか?」

大地の指摘に矢島は痛い所を突かれた顔をしたが、すぐにごまかすような笑みを浮かべて持っていた鞄を開けた。

そこから煎餅の大袋を取り出して大地に押し付ける。

「ほら、これは手土産だ。じゃ、頼んだぞ!」

矢島はそう言うと、さっさとビニールシートの向こうへ行ってしまった。

一人残されて、強引に手渡された煎餅の袋を見る。

あまり気は進まないが、上司命令ならば仕方無い。

それに何より、次の被害者を出さない為になりふり構っていられないのは事実だ。

気が付くと少しの間に辺りは明るくなり、眩しい朝日が溢れていた。

時計を確認し、一人呟く。

「それでは、彼女のご機嫌を窺いに行くとするか」

この時間なら、朝が早い彼女の1日はもう既に始まっているだろう。

大地は煎餅の袋を片手に、明るい日差しの中を自分の車に向かって歩き出した。





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