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二人で夜の街を歩く。

翼は、特に目的地も無い様子で足を動かしているように思えた。

無理を言って付いて来たというのに、これではまるで散歩でもしているようだ。

「……あの、心配させてしまったようですみません」

不意に、隣を歩く翼がぽつりと言った。

「大地さんに心配を掛けさせたくなくて何も言わなかったんですけど、かえって心配させてしまいましたよね。ごめんなさい」

「別に謝る事ではないだろう。誰にでも、話したくない事はあるものだ」

「それなのに、私の事は放っておけなかったんですよね。何故ですか」

改めて問われ、大地は考え込んで沈黙した。

そういえば、何故だろう。

見て見ぬふりも出来たのに。

翼は立派に自立している女性で、関わったら厄介な事になりそうで、苦手な存在の筈なのに。

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