14


まるで捨てられる直前の子犬のような瞳を向けられ、大地が財布を取り出す。

「分かった。俺が出してやる」

「わーい、有り難う!大地さん、大好きです!」

「……男から告白されてもな」

由貴と大地の様子を眺め、敦が呟く。 

「弟の面倒を見る兄……」

「大地さんは困っている人を見ると放っておけない、優しい人ですからね」

その声音にこれまでと違う感情が混ざった気がして、敦は巫女の横顔を見た。

とても優しそうな、寂しそうな。

微笑を浮かべる横顔は、まるで。

その時、大地が敦に話し掛けて来た。 

「敦さんはどうする?おみくじを引くなら、俺が払うが」

「え?あ、有り難うございます」

「よし。じゃあ翼さん、四回分だ」

「四回分ですか?」

手渡されたお金を見て、翼は不思議そうな顔をする。

「由貴さんに敦さんに大地さん。三回分で良いですよ?」

「いや、後一回。貴女の分だ」

「え?私もですか」

「ああ。一人だけ引かないのはつまらないだろう?」

当然のごとく返されて、巫女は一瞬息を飲んでから微笑む。

「そうですね。では、私も一緒に引かせて頂きます」

「よーし、気合い入れて引くぞー!吉兆吉相吉祥ー!」

「おみくじにその掛け声は必要なのか!?」

ささやかな事が、この上無い楽しみになる。

それが、いつも君の日常。





- 27 -






[*前] | [次#]

しおりを挟む


ページ:



Reservoir Amulet2