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学校の校舎というものは、何処でも造りは似たようなものだ。

そのせいだろうか。

初めて来る場所でも、不思議と懐かしい。

自分が学校に通っていたのは、ほんの僅かの時間だけれど。

手紙に書いてあった教室の前で立ち止まり、深呼吸をする。

本当に来てしまったけれど、迷惑だったらどうしよう。

それに、初対面の人に相談などしても良いものだろうか。

不意に込み上げて来た不安を払うように、教室の引き戸に手を掛ける。

「こんにちは。あの、紗貴さん?」

呼び掛けると、中にいた娘がこちらを見た。

緩やかに伸びた髪に、すらりとした姿。

同じ歳位の筈だが、随分大人っぽく見える。

「初めまして。私、『fairytale B』の華憐と……」

想像以上に綺麗な人にどきどきしながら名乗ろうとした時、がたりと音がした。

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