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城の自室に戻り、鎖の金具が壊れたペンダントを眺める。

「紗貴さんは浴衣姿を蒼に見せてって言ってたけど……。蒼、今何処にいるんだろ」

「呼んだか?」

「え?」

独り言に返事があって、驚いて振り向く。

振り向いた先で、蒼が身軽に窓枠を飛び越えて入って来る。

「元気そうだな、華憐」

「もう、またそんな所から入って来て。普通に来れば良いのに」

いつも通りにいつものように返してから、改めて蒼を見上げる。

彼の様子は至って普通で、特に変わったところは無い。

思わずほっと息をつくと、蒼は不思議そうな顔をした。

「どうした?」

「ううん。怪我とかしてなくて良かったなって思っただけ」

「…………」

何故か目を逸らされる。

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