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まだ肌寒い空気の中にも、暖かな春の兆しを感じられるようになって来た頃。

高校の卒業式を間近に控えた少女が、恋人の住むアパートを訪れていた。

最近は登校日も少ない為、引っ越しの準備を兼ねて恋人の元へ来る事が多くなっている。

彼は彼で仕事が忙しくて、一緒にいられる時間は限られてしまうけれど。

それでも側にいられる事が、ただ嬉しい。

「ただいま、静嵐【せいらん】」

「お帰り、霄瓊【しょうけい】」

玄関で、いつものように言葉を交わすだけで嬉しくなる。

静嵐が、いつも暖かな眼差しで迎えてくれるから尚更。

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