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夕日が射し込む校舎の廊下を歩き、目的の教室を見付けて立ち止まる。

「失礼します」

声を掛けて引き戸を開けると、中にいた少女がこちらを向く。

「お久し振りです、紗貴さん」

頭を下げて挨拶をする。

そして顔を上げた途端、強く抱き締められた。

「きゃーっ!霄瓊ちゃん!元気だった?」 

「は、はい」

少々驚きながらも頷くと、紗貴は体を離して笑った。 

「バレンタインに、チョコレート貰った時以来だっけ?」

「はい、そうですね。あの、お手紙を有り難うございました」

「あっ、読んでくれたんだ。それで着てくれたの?」

「はい。ちょっと、ご相談したい事があって。もしご迷惑でなければ」

すると、全ての不安を払うような笑顔が返される。

「勿論、大丈夫よ!さあ、座って。何でも話して」

「有り難うございます」

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