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これまでに、そしてこの先に生まれる無数の物語。
その中に、人は何を見るのだろう。
何を思い出すのだろう。
「結芽ちゃん。これからも、辛い時には思い出してね。尽きない楽しさは、いつでもすぐ側にあるんだ」
泣きたい夜には思い出して。
無限に広がる幻想の世界を。
「……ソムニさん」
彼の口調から別れを感じ取って、結芽は思わずコートの袖を掴んでいた。
「どうかした?」
「あ……あの。また会えますよね」
「どうしてそんな寂しそうな顔をするの?僕達はいつだって、また会えるのに」
優しく笑って、ソムニウムは続ける。
「時が過ぎて、君がどれだけ変わるとしても。僕は変わらず側にいるよ。あの頃のまま、いつまでも君を待ってる。だって僕は君の」
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Reservoir Amulet2