サバイバル演習


自己紹介を行なった翌日の早朝。担当上忍を抜いた第10班は演習場の前で集合していた。

何でも今日はサバイバル演習と言う名の下忍選抜試験らしい。それを聞いた時、イノは「信じらんない!」と叫び、シカマルは「めんどくせー…」とお決まりの台詞を吐き、チョウジは「そんなー…」と落ち込んでいた。

合格率は半分以下と言ってた。まあ力を合わせれば何とかなるだろう。

「お、集まってるな!」

欠伸をしながら待っていると、不敵な笑みを浮かべたアスマ先生が現れた。

ちなみに。彼をアスマ先生と呼び出したのはイノだ。考えてみればアスマ先生は火影様の息子。姓で呼ぶより名前で呼んだ方がややこしくない。シカマルなんかは呼び捨てだが……。

アスマ先生が煙草の煙を吐く。この煙にはもう慣れた。家で父が煙管を吸っているせいもあるだろう。

「このサバイバル演習は…お前らの実力とチームワークを見るもんだ。ルールは簡単。人質を1人決め、それを他の3人が助け出してもらう」
「ちょ、ちょっと待って!人質ってどうやって決めんのよ!」
「そりゃお前らで決めろ」
「けどよ」

シカマルがポケットに手を突っ込んだまま、一歩前に出た。

「俺らの実力も見るんだろ?そしたら人質になった奴は動けねーんだし、実力も何もねーんじゃねえの?」

アスマ先生が「鋭いな」と呟く。

「ま、確かにそうだが、人質もそれなりにやることがあるだろ?それで実力を見んだよ。じゃ、人質決めたら声かけてくれ」

彼はそう言うと、少し離れた岩に腰かけた。

四人で顔を見合わせる。

「んで、どーするよ。誰がやる?」

シカマルが欠伸をしながら両腕を頭の後ろに回した。

「どーするって言ったって…」

イノが困惑気味に眉を潜める。チョウジは何か閃いたのか手をポンと打った。

「んー…じゃあさ、じゃんけんにしない?」
「「じゃんけん?」」
「けどそんな簡単に決めて良いもんなの?」
「まあ…誰が人質になろうと変わらないだろう?」

私がそう言うとイノは納得したらしい。口角を上げ楽しそうに笑った。チョウジは嬉しそうにスナック菓子を食べている。シカマルは肘で小突いてきた。

「少しはリーダーらしくなって来たんじゃねーの?」
「そうか?」
「あぁ」

▽▲▽


そして、じゃんけんの結果―…。

「レイー!シカマルー!チョウジー!ちゃっちゃと助けなさいよー!?」

イノに決まった。私達3人はアスマ先生の前に整列していて、イノは少し離れた所にある丸太にくくりつけられている。何だか本格的だ。

「ちょっと!のんびりしてないで、この体制結構キツイんだから速く始めなさいよ!」

イノの怒声にチョウジとシカマルが顔をしかめた。全く、仕方がない。

「イノ」

静かに名前を呼ぶ。イノは口を閉じた。

「必ず速く助け出す。だからイノは逃げれるよう準備を頼む」
「わかったー!」

イノの表情が一転して笑顔に変わる。これなら大丈夫そうだ。

その間、私の横で

「レイの奴、相変わらずイノの扱い上手いな…」
「うん、あんなうるさかったイノを一瞬で静めちゃうなんてね」

という会話が成されていたとかいないとか。

「よし、じゃあ始めるぞ…よーいスタート!」

サバイバル演習の幕が開けた。


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