担当上忍は煙好き


騒がしい教室。いつもと同じ風景。違うのは皆アカデミーの生徒ではなく一人前の忍者であるということ。

「よぉ…ん?お前額当ては…」

右隣に座ったシカマルに無言で右足首を指差す。

「ってそこかよ…」
「腕か…」
「めんどくせーからさ」

シカマルが額当てを着けていたのは腕だった。何とも彼らしい。

そこへイルカ先生が教室に入って来て説明会が始まった。話を聞き流しながら寝る体勢に入ったシカマルと目が合う。彼はニヤリと笑った。

話は進み、班編成が読み上げられる。教室の者は皆、喜んだり悲しんだり様々に分かれた。

「10班ーーー山中イノ、水無月レイ、奈良シカマル、それから秋道チョウジ」

名前が呼ばれた。班員は見知った者ばかりで一安心といったところか。

シカマルと一緒となると任務が楽に片付くに違いない。ふと隣を見るとシカマルと視線がぶつかった。

「レイが一緒ならやりやすくて助かるぜ」
「同感だ」

▽▲▽


担当上忍の先生は午後に紹介されるらしい。とりあえず四人で昼食を取ることにした。母から渡された重いそれを三人の前に広がる。

「うそ!!レイのお母さんの手作り!?」

イノは瞳を輝かせた。隣のチョウジも同じような光を目に宿している。

「つーか、この量持って来たのかよ」
「これなら皆で食べれるね!!」

呆れるシカマルに嬉しそうなチョウジ。チョウジにいたってはもう両手におにぎりを掴んでいた。

話しながらいつものようにご飯を食べ始める。


少し食欲が湧かなくて空を仰いだ。雲がいくつか浮かんでいて絵に描いたような晴天。夜空も好きだが昼の空も案外悪くない。

これから不安なのが担当上忍のこと。私は情けない事に重度の人見知りだ。それ故に午後が憂鬱でならない。
溜め息を1つ吐きまたも空を見上げる。シカマルがよく「雲はいいよなー…」と呟くが、全く持ってその通りだ。

「不安か?」

シカマルが顔を覗き込んできた。無言で頷く。

「まー…お前一人じゃねェんだから何とかなるだろ」

そう言って彼は照れ臭そうに私の頭を軽く叩いた。

▽▲▽


昼食後、教室に戻るとイルカ先生によって担当上忍を紹介された。煙草をくわえ、厳つそうな男の人だ。

場所を変えると「とりあえず座ってくれ」と言われた。私たちが腰掛ける前に彼はドサリと腰を下ろす。私たちが近くの椅子に座った途端、彼は煙草の煙を吐いた。

「「ゲホッゲホッ!」」

一斉に咳き込む。煙が目に染み前が霞んだ。上忍なんだから時と場を弁えて欲しい。

「あ、わりーわり…今日から第10班の担当になる、猿飛アスマだ。厳しくするから覚悟しろよー?」

猿飛担当上忍は笑顔を浮かべたが、こっちはそれどころではない。シカマルやイノは恨めしそうに煙に耐えているし、チョウジは涙と鼻水で大変そうだ。私は耐えられず近くの窓を開けた。

「いきなり泣くなよ。まだ厳しくするって言っただけだろ?」
「煙」
「ん?」

ポツリと呟くが体が強張りこれ以上は言葉を紡げそうにない。幼馴染みに後を任せ下を向く。

「煙が目に染みんだよ!」

その通り。シカマルの言葉に私は大きく頷いた。


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