ゴールドフィッシュ・アイライン。莇がほどこしたであろうそれが花火の光にあてられて煌めく。握られる手に熱がこもる。花火を見上げるゆらの横顔はさっきのキスでほんのりと色づいているのに瞳は花火を真っ直ぐに見上げている。
 花火を見る目的でここに来たのにゆらの瞳にもっと自分を映したくなっているのはさっきのメロン味のかき氷の甘さにやられたせいだろうか。茅ヶ崎にちらりと視線を向けると茅ヶ崎も花火ではなくゆらに視線を向けていた。大方、うなじでも見ているのだろう。

「花火、綺麗ですね」

 そんなゆらの言葉に俺たちは短く返答をする。それをさして気に留めないゆらはきっと花火に集中し始めたんだろう。
 茅ヶ崎と視線が合う。こういう時、なぜか茅ヶ崎と意見が合うというか結託出来るのはなんでだろうな。茅ヶ崎のアイコンタクトに頷くと茅ヶ崎がゆらのうなじにキスを落とした。ゆらがぴくりと体を震わせたと同時に握られていた手に力がこもった。振り向き茅ヶ崎を見上げるゆら。

「い、至なにして…!」
「何ってゆらがおいしそうだったから」

 そのまま茅ヶ崎は片腕をゆらの腹部に回したままもう片腕を動かし、ゆらの顎を固定させて振り向いたゆらの声を奪った。花火が打ちあがる音に紛れて聞こえるゆらの吐息。舌が絡まる度にぎゅうっと力がこめられる手。ああ、助けを求めてもダメだよ、ゆら。俺も茅ヶ崎と同じ気持ちだから。
 そっと浴衣のあわせから握られていない方の手を滑り込ませゆらの足に触れた。またゆらの体が震えた。

「んんっ、んぅ…!」

 何か言いたそうだけど茅ヶ崎がそれを止めている。人のこと言えないけど本当、お前も良い性格してるよ茅ヶ崎。
 ゆらの足を撫でながら握られた手を持ち上げて細い指先から手の甲へ唇を押し当てていく。ゆらは急いで手を離そうとするけど離してなんてあげない。手のひらから手首に自分の手だけ移動させてその行為を繰り返す。指先にも熱が集まってきたら今度は指先を口に含んでつうっと舌でその形をなぞる。汗で少ししょっぱい。口の中で小さく震える指が愛おしくて止まらなくなる。

「っ、は…や、…ふたり、とも…」
「ごめんね、ゆら。そんな顔されたら尚更止められない」
「あっ、いた、るっ、だめ、」

 茅ヶ崎がゆらの胸元へと手を忍ばせる。

「ああ、そっか。浴衣だからスポブラみたいなやつつけてるのか」
「っ、」
「今そういうの売ってるもんな」
「や、ちかげさっ、も、やぁっ」
「茅ヶ崎も言っただろ?そんな顔したら止められないって」

 指から口を離して耳から首筋にかけて唇を押し当てる。ゆらの汗が唇を湿らす。下がりきった唇を今度は舌でその汗を掬い取るように耳まで戻す。

「「…ゆら、好き」」

 タイミングを合わせて両耳から直にそう囁くとゆらは可愛いぐらいに反応して唇で触れていた耳が一層熱くなった。こんなに素直に反応してくれるなんて嬉しいものだな。

「ゆら、嫌って言うわりにはここもう硬くなってきてるよ」
「ひぁっ、」
「足も撫で上げる度にぴくぴく反応する」
「や、ふたりし、て…!っ、みみも、とでっ、あっ!」
「だってゆらこうされると興奮するでしょ」
「敏感になるよな」
「ふぅ、っ…あ、あっ、」

 太腿を撫でていた手をもっと上へと持っていく。汗ばんだ肌の先、汗だけで湿っただけじゃない下着に行き当たる。下着の上からゆっくりと優しくそこを上下に撫でるとゆらの声が甘くなる。じわじわと湿り気が強くなって粘り気を帯びた水音がたち始める。滑りがよくなると硬くなってきたそこも優しく刺激し始める。ゆらの声を聞きながら強弱をつけたり、軽く爪を立ててみたり。びくびくと震えるゆらが可愛い。
 茅ヶ崎は胸を弄りながら耳や首筋を舐めたり吸い上げたり、時折甘噛みをしているようだ。ゆらの開いた口から零れてきた唾液を浴衣に落ちないように舌で掬いそのまま深いキスをする。舌先ももう溶けるくらい熱くて、ゆらもスイッチが入ったのか舌を絡ませてきてくれる。縋るように掴まれる服。ああ、もっと乱れていいよ、ゆら。

「可愛い、ゆら」
「ひ、んっ…あ、ああっ!」
「ゆらそんなに先輩の指が気持ちいいの?」
「あ、き、もちいっ…ふぁ、」
「ふーん」

 ゆらの胸元から手を離してその手を俺と同じところに持ってきた茅ヶ崎。

「うわ、ゆら溶けすぎ」
「あ、あっ、…や、だ、」
「でも欲しそうにひくひくしてるよ」

 茅ヶ崎はぐっと下着の上からゆらの入口の浅いところまで指を押し入れた。喉をのけぞらして声を上げるゆらは恍惚とした表情で瞳に涙をためていた。力も入らなくなってきているのか花火を見ている時より茅ヶ崎に体重を預けている。

「茅ヶ崎、あまり急に強い刺激を与えるな」
「ゆらがすぐ飛んじゃうから?」
「そう」
「でも、そろそろ先輩もこうしようと思ってたんじゃないですか」
「…まぁ否定はしないよ」

 下着の両サイドからお互い指を忍ばせて、さっきの茅ヶ崎が与えた刺激からかさらに物欲しそうにひくつくそこに指を入れた。熱くて柔らかくて包み込まれるそこ。柔らかいのにきつく締めつけてきてたまらない。
 お互いに思う通りにゆらの中や外にある硬くなったそれを刺激する。ゆらは与えられる刺激に甘い声を上げてもっと俺たちを誘う。

「は、ぁっ、あ、ついっ…」
「ゆらの体茹で上がったみたいに熱くなってるもんな」
「ひぁ、…ふ、たりの、ゆ、びもっ」
「ゆらに溶かされちゃったから」

 浅い呼吸、焦点の合わなくなってきた瞳、細かに震える体。ゆらの限界は近いみたいだ。

「千景さん」
「はぁ…分かったよ。今回はお前が先でいい」
「ありがとうございます」

 ゆらの下着をそっと脱がし、浴衣の裾を後で適度に直せるように捲り上げていく。
 捲り上げた浴衣が落ちないように押さえながらゆらの真正面に移動してゆらの体重を俺の方へと傾ける。

「ち、かげさ…?」
「ゆら、舌ちょうだい。もっと気持ち良くなろう」

 俺を見上げ口を開けたゆらに深く深く、息も出来ないようなキスをする。くぐもった声が花火の音より鮮明に聞こえて、もっとそれを聞きたくて貪るようにゆらの口内をめちゃくちゃにしてしまう。
 ぎゅっと俺の胸元を掴んでいたゆらの手に力が入って、ゆらを挟んで軽い衝撃が体に訪れた。

「ゆら、俺もいること忘れないでよね」
「ふ、んんっ!あ、あっ、い…たるっ」

 せっかく堪能していたゆらの舌が離れてしまった。代わりに見下げるゆらの蕩けた表情に口元が少し緩んだ。花火の音はもうきっと聞こえていない。見えてもいない。俺たちは花火からゆらの意識を奪うことに成功した。

「ゆら、外でそんなに声出して誰かに気づかれたらどうする?」
「っ、締めつけ、きつくなった」
「でも大丈夫、皆花火に集中してるから分からないよ」
「っん、いじ、わるっ…ああっ!」
「その声も花火がかき消してくれるよ」
「ひ、あっ、あん、っ、ひん、」
「俺たちはゆらのこと全部見て感じてるけど、ね」

 流れる涙を舌で掬って、微笑んで。羞恥を煽りながらゆらを言葉で攻める。
 周りのこと、ここが外であることを思い出したゆらの中はきっときつく茅ヶ崎を締めつけているだろう。茅ヶ崎も余裕のない顔になってる。ほら、早く。俺にもゆらを沢山感じさせてよ。

「ひ、あ、あああっ――!」
「くっ…」

 くたりともたれかかってくるゆらをしっかりと支え、愛おしむようにその唇にキスをした。

「はぁっ…先輩、言葉攻めわざとでしょ」
「お前のお願い聞いてやったんだからあれくらいいいだろ」
「本当、良い性格してますね」
「褒め言葉として受け取っておく」

 茅ヶ崎との軽いやり取りを終えると呼吸を整えているゆらにそっと囁いた。

「ゆら、今度は俺と一緒にいこう」
「っ、」
「先輩って本当、ゆらには優しいですよね」
「うるさい」

 息が上がって力の抜けたゆらを動かすのは流石にかわいそだから茅ヶ崎と俺の位置を交換した。
 ゆらの溶けたそこを指で確認して、そっと俺のをあてがう。入口がきゅうっと誘う。

「ゆら、ゆっくりいくよ」
「あっ、は、ん…」
「俺のがゆらの中に入っていくの分かる?」
「は、いっ…ふぁっ、」
「ゆらの中すごく熱くて気持ちいいよ」
「ひぁ、っん、あ、あっ!」
「きつい…そんなに俺のも欲しかった?」

 全部が入りきるとゆっくりと動き始める。ゆらがすぐ飛ばないように緩急をつけながらゆらの中を堪能する。弱いところは知っている。けどあえてまだそこは刺激しない。ゆらから強請って欲しい気持ち半分、まだゆらを感じていたい気持ち半分。
 けど、茅ヶ崎が何か思いついたのかにやりと笑ってゆらの下へと手を伸ばした。

「ゆら、もどかしいよね?先輩意地悪だから俺も手伝ってあげる」
「へ…?っ?!や、あ、ああっ!ぅ、…たる、やぁっ!」
「っ、茅ヶ崎…お前っ」
「これでおあいこ、ですよ」

 ゆらの入口の上のそこ。茅ヶ崎はそこを執拗に攻め立て始めた。締めつけが強くなって、ゆらの声も上擦って、持っていかれそうになる。こうなったら仕方ない。癪だがゆらの弱いところを攻めて一緒にいこう。

「ゆら、あと少しだけ頑張ってね」
「ひぁあ!あ、やっ…そこ、あ、ああっ!」
「ここやっぱり気持ちいいんだ、ゆら」
「っ、あ、だ…め、」
「ダメじゃなくて、気持ちいいだろ?ゆら」
「ひんっ…あ、きもち、いっ…ちかげさっ…!」

 ゆらの呼吸に合わせて腰を動かす。屈んでうなじにキスを。

「あ、もっ…んっ、あ、ああっ!」

 二度の絶頂にゆらの体から完全に力が抜けて、ゆらも意識を飛ばしてしまった。




「茅ヶ崎覚えてろよ」
「何のことか分かりません」

 ゆらの身支度を整えてゆらが目覚めるまで茅ヶ崎とそんなやり取りを繰り返した。