剣城くんのイケメンボイスをいただいてから、それっきり会っていない。
基本授業には参加しない剣城くんと会えることは、数パーセントの確率じゃないかな。
サッカー部に行けばいい話なんだけどね。
「美羽!お弁当食べよ!」
『んー』
昼休み、葵ちゃんは私のところに来て机にお弁当を置いた。隣の席の人、椅子借りるね。
あ、そうだ。葵ちゃんに剣城くんとのこと教えないと。でも、優一さんの事言っても大丈夫かな。知られたくないかもしれないし…。
「___て、美羽聞いてる?」
『え、何?』
「もう!ちゃんと聞いといてよね!」
『ごめんごめん。で、何?』
「次の試合のことよ!」
『まさか、また……』
「試合観にきてね!絶対よ!」
『えー』
「剣城出るんだけどなぁ」
『剣城くん出るの!?いく!絶対いく!』
それを先に言ってよね!剣城くんが出るなら私は絶対見に行く!
剣城くんが試合に出るなんて初めてじゃない?
え、どうしよ、楽しみすぎて待てない。
『ふふふ』
「美羽、すっごい不気味」
『剣城くんっ剣城くんっ』
「頭の中剣城一色ね、」
『そんなことないよ〜、ちゃんと他のことも考えてるよ〜』
まあ九割剣城くん、残り一割は晩御飯のことだけどね。
『あ…、あのね、私前試合見に行った時あったでしょ?』
「天河原中学との試合ね!」
『あのとき玲央くんにバレてたみたいでさ〜。その前の時もバレてたんだよ〜』
「玲央先輩には美羽探知機でもあるんじゃない?」
本当、そう思うよ。
どんなにこそっとしても、遠くから見ててもバレるとか、私のこと大好きかあの人は。
「玲央先輩といえば、キャプテンや天馬たちと一緒に本当のサッカーしてるわよ!」
『あー、なんか(修也くんに)管理されてるんだっけ?』
「そうそう!それにね!あの伝説の円堂守さんが新しい監督になったの!」
『ほ〜、なんだか良い方向に進んでるんじゃない?(円堂さん、久しぶりだなあ)』
「うん!!この調子でどんどん勝って、優勝しなくちゃね!」
『サッカーするのは松風くんたちでしょ〜』
「私たちマネージャーのサポートも大切なの!」
へへーん!と威張りながら、葵ちゃんは腕を組んだ。
たしかに、怪我をした時手当てしてくれる人がいないと大変だしね。
え、私もマネージャーになれば剣城くんの手当てできるんじゃないの。
うわ、玲央くんめ、サッカーに関わらないって約束しなければよかった。
剣城くんに関わってる時点で無意味だけど。
まあ、この革命みたいなことが終わった時には、マネージャーになろうかなあ、