「いいか、お前は中学に入ったら、」
美羽の兄である玲央や、
「俺が何をするか美羽だけには伝えておく、だから」
従兄妹である豪炎寺、
「"サッカー"には関わるな」
これは美羽にとって、大切な二人からの望みだった。
***
一か月前までは小学校に通っていたけど、とうとう自分も中学校に行くことができる年になった。
真新しい制服、鞄を持って小学校の時からの友達と一緒に、初めての中学校へ向かった。
「あー!クラスどうなるのかな?一緒だといいね!」
『そうだねー』
「中学校での最初の目標は彼氏をつくること!」
『急にどうしたの?』
「だって、中学って言ったら青春したいじゃん!」
ちなみにわたしが一緒に登校しているのは、小学校の時から仲良しの葵ちゃん。呼び捨てでいいって言われたけど、何か葵ちゃんってほうがしっくりくる。
それに青春したいと言っているけどこの子、性格はサッパリしているし、明るいので結構人気があった。だから中学でもすぐに彼氏できそうなんだけどな。
『とりあえず、部活どうしよっかなー』
「あ!部活の事忘れてた!」
『私が一番楽しみなのはこれかな』
「えええ、美羽の青春も私の密かな楽しみなのに」
『ざーんねんでしたー。あ、見えてきたよ!』
新しい学校、雷門中。その建物が見えて自然と私の歩くスピードが速くなる。
葵ちゃんは走る気がないのか「待ってー」と言いながら走ってこない。聞こえないふりをして、門を潜り抜けた。
のはいいけど、予想していたのと違った。
暗い雰囲気で新入生たちや先輩たちが、グラウンドと思わしき所を見ていた。
そんなの気になるに決まってる。みんなに混ざって何が起こっているのか確認した。
そこにいたのは二人の男。
一人は私もよく知っている松風くん。
そしてもう一人は、他の人とは違うオーラを放っている背の高い…。
「デスソード」
ああ、玲央くん、修也くんごめんなさい。
"サッカーに関わるな"そう言ったけどそれは無理なようです。
心臓が跳ね上がるような感覚、目が離せない。
どうやら私は性格も知らない彼に一目惚れしてしまったようです。