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彼はサッカーをしていた。

どんな形であれサッカーをしていたのには変わりない。あんなに関わるなと言われたけど、私は二人より自分の恋をとることにしました。(サッカー自体に関わらなきゃいいだけだし!)

あの後いろいろあって、葵ちゃんとはぐれちゃった。しかもクラス分けを見たら、同じじゃなかった。私のクラスには知らない名前ばかりだったけど、小学校が同じ人もちらほらいた。


入学式、先生の紹介、それらが終わって今は教室で担任の話を聞いている。
それにしてもひまだ。あ、そういや彼は何年生なのだろうか。身長からしたら上級生に見えるし、この教室に彼はいなかった。


そう簡単に知り合う事なんてできないか…。

諦めないけど。



解散となってみんな教室から出て行く。その中には、もう新しい友達をつくっている人もいた。
私も帰ろうと鞄を持ったときに大きな声で、自分の名前を叫ばれた。とっさに返事をした私も私だけど、恥ずかしい。


「はやくはやく!!」

『何でそんなに急いでるの?』

「サッカー部に行くの!」

『いやいや、サッカー部に行くの!て言われても』

「朝の事で天馬が信介って言う新しくできた友達とサッカー部に行っちゃって」

『そうなんだ。でも私、サッカー部にはいけないよ』


苦笑いしながら言えば、その理由が分かっている葵ちゃんはしぶしぶといった感じで、サッカー部に行こうとした。
でも、伝えないといけない事あるから腕を引っ張って止めた。


「な、なに!?」

『こ、恋しちゃった…!』

「……………は、え?」

『一目惚れ、しちゃったの。すっごいかっこいいの!!みんなには内緒だからね!』


それだけ言って走って葵ちゃんから逃げた。後ろからありえない声が聞こえてくるけど。
走って走って階段を駆け下りて、靴を履き替えてなお走り続ける。

葵ちゃんの前では普通に言えたけど、やっぱり彼の事を思い出すと顔が熱くなる。
せめて名前だけでも知りたかったな…。

行きの時よりも重くなった鞄を肩にかけて帰る。


小学生の時は誰が好きとか、よくみんなが話していたけど正直わからなかった。
みんな仲良しだったし大好きで、それなのに友達に「あの子好き?」と聞かれて「好き」って言ったら大事になってしまったこともある。

どこからが恋の好きなのか、いまいちピンとこなかった。
この先運命の人でも現れるのをただただ待つだけだと思っていた。

けど!
彼は本当にかっこよかった。顔はイケメンだと思う。それに身長が高いし、なにより獲物を捕らえるときのような金色の瞳。
全てが全て私には輝いて見えた。
瞬間、私は彼に恋をしたことを理解するのに時間はかからなかった。
この恋は簡単に終わらせたりなんて、しないんだから。


そんな事を考えながら、これからの学校生活に期待をした。