『あれ、ここどこ…』
さっきまで学年ごと10チームに分かれて、実戦をしていた。
それが今、目の前は大海原、背後は森林。
思い返してみよう。
私と同じチームになった人には申し訳ないけど、武器使用は許可出てるので、ほんの少しぐらいは役に立つ、はずだと思ってた。
先生達が魔法で、街を作ってくれて。
そこを実戦場として、多くのモンスターを倒す、かつ別チームとの戦闘でポイントが多いチームが勝ちとなる。敵も先生の魔法で、過去に出会ったモンスターを実物のように生み出せる魔法だ。
一人行動は危険だと言うことで、学年でもトップレベルの子ともう一人と一緒に行動をしていた。
彼女達の魔法は本当に綺麗で、氷を操って敵を凍らせたり、千里眼で罠を仕掛けたりテレパシーで伝達したり、連携も完璧だった。
私は彼女たちが大物と戦っている間に、辺りを群がる雑魚と言われるモンスターを倒していた。このぐらいなら、私にも倒せる。
「もー!数が多いわ!」
「一気に叩こう!合体魔法いける!?」
「ええ!…セレネ!少し離れてて!」
『う、うん!』
二人が合体魔法を使うなら、巻き込まれないように影に隠れておくのが一番の策だ。
雑魚はほとんど倒したので、あとは残ってる大物と、その取り巻きの少し強い奴。まあ、この二人の魔法なら負けることはない。
二人に言われた通り、大きな建物の間に身を隠す。私が隠れたことを確かめると、二人は手を握って魔法を使った。
それに対抗するように、敵も大技を出してきて、二つの魔法がぶつかり合った。隠れていたけど、ここまでその衝撃波がくるぐらいだ。
腕で顔を覆っていると、ふと近くに魔力を感じて、腕の間から目を細めて見る。
「キキキ…」
『え、なに、』
小さな真っ黒の、いかにも雑魚そうなモンスターがこっちを見て笑っていた。そして、目があった瞬間、魔法を使われたのを感じる。やばい、と思ってももう遅くて、
「っ!セレネ!離れて!」
「うそっ、あれは、っやばい!!」
魔法を放っている二人も、私に気付き、魔法を止めてまでこっちに飛んできてくれた。
二人はこのモンスターのことを知っているみたいだけど、私は見たこともない。
いつも実技の時に頭に衝撃がきて、ぐわんぐわんするのとは全然違って、意識が飛びそうになったり戻ってきたり、気持ち悪くなる感覚。
「セレネ!!そいつ、時…!」
「…転…!!」
じ、、?てん、なに、、?
耳鳴りが酷くて、聞こえない。視界も真っ暗で。
これはあれかな、、模擬実戦ゲームオーバーで強制的にロビーに帰っちゃうのかな。二人の足引っ張っちゃった、ごめんなさい。
私が最後に見たのは、二人が私の名前を呼びながら、泣きそうな顔をして、手を伸ばしながら駆け寄ってくれる姿だった。
***
そして私は見事にロビーに強制送還かと思ったら、冒頭の通り。
どこかの島みたいな。私たちの街は島がなかったからわからないけど、強制送還失敗してどこか遠くに飛んで来ちゃったのかな。そういう魔法を使うモンスターだったから、二人はあんなに慌ててたのかな。
あの二人、すごく辛そうな顔をしてたから、はやく戻って無事を伝えなくちゃ、心配させたくない。
なによりここがどこかわからないし、一人は寂しい。
装備は実戦の時のままなので、一応武器もある。なら、私がとる行動は、森の中を探索しよう。もしかしたら、村があるかもしれないし、無人島ではないことを祈るしかない。
海に背を向けて森の中を散策するために、足を進める。
同時刻、真逆の海岸に一隻の船が上陸していた。
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