「名字くん、如何かな?」
「…あの、理事長」
「ん?」
「私、地下まで作れとは言ってないです。部室のセキュリティを強化してくだされば、ここに住むつもりだったんですけど」
「はっはっはっ!」
「お、お父様!もうっ」
「建物自体が古いからね、そこに女の子一人にするわけにはいかないよ」
「いやでも、費用とかバカにならないですよね」
「そこは気にしなくていい。私もこの部室が好きだから、君が守ってくれると夏未から聞いた時嬉しかったんだ。私からのささやかなプレゼントとして受け取ってくれ」
「ささやかにしては大き過ぎますけどね」
「ごめんなさい名前、流石にここまでするとは思ってなかったわ」
「私もだから大丈夫」
「まあまあ、子供は自分のしたい事をすればいい。私はそれを支えるだけさ」
「…ありがとうございます」
「さて、君の望み通りこの事は誰にも話していない。君はこれからどうするつもりなんだい?」
「私のことは守と正剛くんには伝えます。先のことなんて、まだ考えていないですけど、みんなの帰りを待って、私も私にできる事をします」
「私も名前と一緒に居れたら良かったのだけど」
「ありがと、気持ちはもらっとくね。夏未は海外だから、夏未にしかできない事、学んで、またここに帰ってきて」
「必ず戻ってくるわ。名前、無理しないでね」
「うん、行ってらっしゃい夏未」
「行ってきます」
夏未とさよならした後に、まず響さんに事情を話す。承認してもらえたため、そのまま円堂の家へ。
「どうした?話があるって珍しいな!」
「そう?…ねえ守、私雷門サッカー部がすごく大切なの」
「?俺もだぞ?」
「うん、あの場所も今までの思い出も、選手のみんなも、全部全部私の宝物よ。だからね、それを守りたいって思ったの」
「んん?どういう事だ?」
「みんなには内緒にしてるけど、私雷門に残って、あの部室に居続けることにしたの」
「部室に居続けるって、え?」
「理事長が地下を作ってくれてね、そこで生活することにした。もちろん、外には出るけどね」
「地下!?何で名前がそこまで、」
「この世界での私の大切な場所だから。私だけじゃない、雷門サッカー部みんなの大切な場所。
私が預かっちゃだめかな?」
「…その言い方はずりいよ」
「うん。ごめん」
「俺、一人でサッカー部作ると思ってた。そこに名前が来てくれて、すげえ嬉しかったんだ」
「うん」
「みんな練習しなくなっても毎日付き合ってくれて、」
「サッカー部だもの、当たり前でしょ?」
「俺が挫けそうになったら真っ先に声をかけてくれた」
「守もよ、私の事一番理解してくれてるわ」
「…だからさ、何て言ったらいいかわかんねえけど、俺もみんなが別々の場所に行くのは嫌だ、やっぱりこのチームが名前がいるチームがいいって思っちゃうんだよ」
「うん、」
「、でもさ、名前があの場所で待っててくれるなら、どこへ行っても頑張れる気がするんだ」
「待ってるよ、みんなが、守が戻ってくるまで。だから、守は守のやるべき事を成し遂げて。中途半端に戻って来たら追い返すから」
「ははっ、それはヤだなぁ、」
「あなたが雷門で導いてくれた、私たちにくれた光をたくさんの人に与えて」
「ああ、名前、待っててくれ。絶対約束を果たして戻ってくる」
「うん、守大好きよ」
「俺も大好きだ」
この二人の大好きは、誰にも理解できない。
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