七夕・スペシャルマッチ
7月7日(火) 影時間
……ピンク色だ……。
気づいたときには、身に纏っているものは生地の薄いバスタオル一枚で、ふかふかのベッドの上に横たわっていた。
身体を起こして辺りを見回すが、自分の置かれている状況が把握できない。
隣の部屋からシャワーの音が聞こえる。
ぼんやりとした思考しかできない頭で何事かと考えたが、やがてどうでもよくなってきた……。
再びベッドに横たわる。
するとドアの開く音がして、そちらを見ると、坊主頭でヒゲが特徴的な少年……腰巻きタオル一枚の順平さんがいた。
順平さんは少しよろめきながらこちらに近づいてくる。
そしてそのままベッドに横たわる私に覆いかぶさるように体重をかけてきた。
「順平さん……」
「永……」
しばらく見つめ合っていると、
「…………!」
だんだん思考がはっきりしてきた。
「じゅ、順平さん、正気ですか!?」
「――え? ……永!?」
順平さんも気づいたようだ。
「あれ、オレら確かシャドウを……つか、何この状きょ――」
順平さんが何かを言いかけた瞬間、勢いよく部屋のドアが開かれた。
「永!!」
「大丈夫!?」
湊とゆかりさんの声だ。
順平さんの顔が青ざめる。
「順平……永に何をした」
ベッドの上でアブナイ体勢の私達を見た湊の低い声が響いた。
「違っ、誤解だって! てかまだ何もしてな――」
いつの間にか私の制服を持っていたゆかりさん――ブラウスの胸元が少しはだけているのが気になる……――に脱衣所に連れて行かれ、順平さんの末路は見ていないが……およそ予想通りに違いない。