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雅貴くんとの馴れ初めはそんな感じだった。

今はもう緊張してどもったりもしないし、連絡先もずいぶん前に交換したし、なんならくん付けとタメ口を強要されて大人しく従うくらいには打ち解けている。

とはいえ雅貴くんのかっこよさは未だ衰えず健在だった。からかわれるから絶対言わないけど。

髪が伸びてきて、最初はちょこんとしていた"しっぽ"も今では掴めるくらいの長さがあったりとかの変化はあるものの、なんかもう、全部かっこよく見えてきて私は考えるのをやめた。深く考えずすべて受け入れてしまえば意外と冷静になれるものだ。

ただ、発言のオヤジ臭さが年々増してきているのは確かだと思う。

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「こんばんは」

「おっ、静華か。待ってたぞ」

「? 何か用事あった?」

「フウが止まり木を探してる」

「なるほど」

ケガしていたところを雅貴くんが保護したというシロフクロウの"フウ"。私の肩だと狭すぎるのか、膝の上か頭の上に乗ってくることが多い。ちなみに雅貴くんのスマホには頭上にフウを乗せている私の写真が保存されているが、普通に恥ずかしいので早く消してほしい。

今日は膝の上だったので素直にかわいがれる。

「フウのやつ、特等席だな。って、今日からセーラー服か。いいねぇ、似合ってるぞ」

「雅貴くん変態っぽいよ」

「おっと。すまんすまん」

ははは、と笑った雅貴くん。全然反省してない。まあ、褒められたし嬉しいんだけど……。

こういうところは、まだ数回しか会ったことのない雅貴くんのお兄さんーー蓮さんにそっくりだ。

……数回しか会ってないのにオヤジ臭さを実感してるの、やばいのでは。

ともあれ、フウが満足するまで正座したまま見取り稽古をしていた。

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雅貴くんの一万射はあと数日で終わろうとしている。

弓を置くための一万射。だから最初はすごく嫌だった。

でもそれを見ているうちに、根拠はないけどなんとなく、一万射が終わっても雅貴くんは弓を続けるんだろうと思うようになっていた。まあ、ただの願望なんだけど。

それにもし雅貴くんが弓道をやめても、私が今まで通りここに弓を引きにくることは変わらない。

今まで私は、雅貴くんの気が向いた時だけとはいえ、稽古をつけて貰っていた。そのおかげで私の射は安定したし、自分でもわかるほど上達していった。

それに私だけじゃなくて、湊の早気の相談にも乗って貰った。湊と直接会ったりはしなかったけど、雅貴くんの経験を聞かせてくれた。

あとは弓具店に連れて行って貰ったり、他にも色々。

一万射を見ていると、そんなことをよく思い出す。

弓を置こうとしていても、彼の射はとても綺麗で正しくて、美しかった。

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