5

*****


明さんの事情を知り、双葉から激励された後、俺はルブランに戻った。

ちなみにモルガナはずっと双葉の部屋で寝ていたらしく、俺と一緒に佐倉家を出た。

「オマエがあんなにミカゲに入れ込んでたとはな……。まあ、ワガハイもストーカー撃退には協力するぜ」

「ありがとう、モルガナ。頼りにしてる」

素直にお礼を伝えてみれば、モルガナは照れくさそうにニャフニャフ言っている。

ルブランの前に着くと、ちょうど明さんが出てきたところだった。

「あれ、早かったですね、暁くん」

「もう帰るのか?」

「ええ。あまり長居しても悪いですし」

「気にしなくていいのに。――そうだ、もし暇ならこの後付き合ってほしいんだけど」

「何か用ですか?」

「用っていうか、その……勉強を教えてほしくて」

明さんとできるだけ一緒にいろと双葉に言われたから、そして俺が一緒にいたいから、苦し紛れだがそんなお願いをしてみる。

「勉強? それは構いませんけど、暁くん、そんなに勉強で苦労してないでしょう?」

「そんなことはない。いつもギリギリだ!」

「いや、胸張って言うなよ……」

モルガナからツッコミが入った。

「ふふ、意外ですね。暁くんは何でも器用にこなしそうなイメージがあったので。……いいですよ、よかったらうちに来ますか?」

「えっ!? いいのか? 行く! 準備するから待ってて!」

まさかの誘いに俺は急いで屋根裏に駆け上り、勉強道具を持って再びルブランを出た。

鞄の中のモルガナには酔ったと苦情を言われたが、今回は大目に見て欲しいところだ。

HOME