職場の人間関係に口出す旦那は嫌われる
【新八視点】
「なァ梅。お前、ポッ○ーゲームってしってっか?」
11月11日。朝からどこかに行ったかと思ったら、大量のポッ○ーが入ったコンビニ袋を引っ提げて帰って来た銀さんは、誰もが予想したセリフを吐いた。
下心丸見えなんですけど……。
「なんですか、ポッ○ーゲームって」
「梅しらないアルか?」
「そうですね……私、ト○ポ派なんで」
「そういう問題?」
しかし梅さんのその答えをきいて、銀さんはニヤリと笑った。
「ままま、やってみればわかるって」
銀さんはいやらしい笑みを浮かべたまま梅さんの隣に座り、ポッ○ーの袋を開け、そこから一本取り出す。
「くわえてみ?」
梅さんは不思議そうにしながらも、素直にポッ○ーをくわえた。
「じっとしてろよ……」
銀さんは梅さんの両肩を掴み、そのまま顔を近づける。
……僕らがいるの忘れてんのかな、あの人……。
そして銀さんが梅さんのくわえたポッ○ーの先端をくわえようとした瞬間――ヒョイッと、ポッ○ーが逃げていった。
「あれ?」
梅さんが唇を動かして、銀さんがくわえられないようにポッ○ーの角度を調節していたのだ。
「おまっ、じっとしてろって!」
銀さんも負けじとポッ○ーを追いかけるが、ことごとくかわされてしまう。
「ふ、ふふっ」
梅さんはそんな銀さんの様子をみて笑っていた。
「……梅、Sに目覚めたアルな」
「そうだね……沖田さんの影響もありそうだけど」
「銀ちゃん、滑稽アル」
みているこっちが恥ずかしくなるくらい銀さんは必死だった。
アレ絶対梅さんの恥ずかしがるところがみたいとかそんな理由でやり始めたんだろうに……なんでだろう、視界が霞んでよくみえないや。
「おいィィィィィ! 梅テメーいい加減にしろォォォ!!」
銀さんにも限界がきたようだ。
「おちょくってんのか? おちょくってんだよなァオイ!? テメーホントはポッ○ーゲームしってんだろ!?」
「らって、銀時、おもひろいんらもん」
「ちょっ、くわえたまま喋ンのやめてエロいからァ!」
そんな銀さんをみてさすがに哀れに思ったのか、今度は梅さんの方からポッ○ーを突き出した。
「ん」
「……え? いいの? くわえちゃうよ、俺?」
舞い上がる銀さん。
「んじゃ遠慮なく……」
再び冒頭のようないやらしい笑みを浮かべた銀さんは、梅さんのくわえるポッ○ーに迫るが――
「ふふっ」
またしても逃げられた。
「……上等だコラァ! 今晩テメーの下の口に極太ポッ○ー、いや、ボッキーぶち込んでやっからな!! 覚悟しとけ!! パチンコ行ってくる!!」
この上なく最低な捨て台詞を吐いて、律儀にも行き先をしらせた銀さんは半泣きで万事屋から出て行った。
「…………」
「下の口? 下の口って何アルか? どこについてるの? あとポッ○ーとボッキ−って何が違うの? ねえねえ教えてヨ」
僕はちょっと熱くなった頬も、神楽ちゃんの無邪気で残酷な質問もスルーして、梅さんをみた。
「大人の言うセリフじゃありませんね」
余ったポッ○ー、食べちゃいましょうか、なんてことを冷静に言う梅さん。しかしさり気なく銀さんの分は多めに避けてあった。
ああ、大人ってこうだよなァと、僕は思いました。……作文?