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【銀時視点】
新八と神楽は気を利かせて定春の散歩に行った。
「……気を遣わせてしまいましたね」
「気にすんな。アイツらだって好きでやってんだ、それにオメーのことが嫌ならあんなことしねェよ」
俺の胸から離れた梅は、少し恥ずかしそうにしている。
「それにしても、なんか、アレだな」
「アレって?」
「なんつーかその……色っぽくなったな」
「え?」
キョトンとした表情は記憶の中にある幼い梅とそう変わらないが、まぁ、10年近く会ってないんだ、色々と変わっててもおかしくはない。とりあえずアレだ、髪が長くなったな。
「ふふ……何言われるのかと思ったら、そんなことですか」
笑い方も少し大人しくなった。まァ、もともと騒がしいヤツじゃなかったけど。
「ンで、何で急に来たんだ?」
「いえ、特に何かあったわけじゃないんですけど……会いたくなった、じゃ駄目ですか?」
かわいいこと言ってくれるじゃねェの。口には出さないが。
「ふ、ふーん。俺ァ、もうとっくにお前は死んじまったモンだと思ってんだがな」
「だから今まで探さなかったと?」
「…………」
そうじゃねェ。俺はただ梅を探すことで、梅が死んだという確証を得たくなかっただけだ。
……要するに逃げていただけなんだが。
「まぁ、そうですよね。戦中でしたし。というか、私も同じようなこと思ってましたから」
そう言う梅は笑っていた。
コイツには俺の考えていることなんざわかっているのかもしれない。頭良かったもんな、お前。
「……梅……」
「はい?」
「おめェは、まだ、その――」
俺のこと好きか、なんてどう聞いたらいいってんだ。
そのまま言うのもこっ恥ずかしいが、喋り出しからしてもう内容を察されていそうでもある。
「銀時、私はまだ銀時のことが好きです」
先に言われてしまった。え、俺、むしろ恥ずかしくね? コレ。
だが、
「ぎ、銀時、何を――」
俺は梅をソファに押し倒した。どっかのゴリラみてェなこと言うようだが、ムラムラしたからだ。
不安そうに、でも俺を求めるような目であんなことを言われちゃあ、こうもなるだろ。
「俺ァ、好きなんてモンじゃねェよ」
そうだ。梅がいなくなってから、忘れたことなんか一度もなかった。いくら他の女で遊んで忘れようとしても、できなかったのだ。
「愛してらァ」
そう言うと、梅はデカい目をまたデカくして、それから両手で顔を覆い隠した。照れているようだ。
「わ……私も、愛してます」
少し開かれた指の間から覗く目には、少し涙がみえた。
「オイオイ、泣くのはまだ早ェんじゃねェの? これから久々に鳴かしてやるんだからよ」
「ふふ、おじさんくさくなりましたね」
「ンなこと言えんのも今のうちだよ梅チャン」
オッサンなんか通り越してジジイになっても、ババアになったてめェをいくらでも鳴かしてやらァ。