3
「っ! うあ、え……?」
あまりにいきなりのことで、変な声が出た。気がする。
恥ずかしい。
どうしたんだろう、と、ノリキ君の顔を見ようと顔を上げると、
*****
強く引き寄せると、亜依が驚きの声を上げた。
そして、戸惑いの表情でこちらを見上げる亜依の顎を掴み、半ば強引に唇を重ねた。
「ん、っ!?」
目を見開く亜依。
そこまで驚かなくてもいいと思うんだが。
*****
驚きと戸惑いで宙を遊ぶ右手が、何かにぶつかった。
・普通子:『くぁwせdrftgyふじこlp』
手元はよく見えないが、多分とんでもないことを打ち込んでいる。そんな気がする。
・賢姉様:『フフフ亜依、アンタ何ふじこ発動してんの?』
・あさま:『え!? 亜依、どうしたんです!?』
・賢姉様:『察しなさいズドン巫女。ズドンよズドン!』
・● 画:『同人誌にしようかしら。――R元服で』
・未熟者:『なんとなくわかるね』
・あさま:『え!? 何で今のでわかるんですか!?』
口を離すと、亜依が肩を上下して息をしていた。
そんなに苦しかっただろうか。
少し強引すぎたかもしれない。
「大丈夫か?」
そう問うと、亜依は、
「う、あ、え? え?」
混乱していた。
「……大丈夫か?」
亜依の両肩をつかみ、視線を合わせる。
すると、亜依は頬を赤くさせ、口を片手で覆う。
*****
「あ、あの、今、えと」
「落ち着け」
肩をつかむノリキ君の手が離れる。
名残惜しくもあったが、今更止めるにも遅い。
そして、ノリキ君を見ると、口を開き、
「……他意はない」
と、言った。
本当に口下手だと思う。
「……解ってるよ」
だから、
「言わなくて、いい」